日本人に愛されてきたのが“紬”という着物であり、紬には200種類以上存在します。
その中でも特に人気の高い紬の一つが、“久米島紬”です。
14世紀に沖縄県の久米島で誕生し、“紬のルーツ”といわれる500年以上の歴史のある紬です。
久米島紬は久米島の伝統産業として発展し、1975年に国の伝統的工芸品に指定され、2004年には国の重要無形文化財として指定されました。
そんな久米島紬を買取してもらう場合、相場はどれくらいなのか、より高く買取してもらうにはどうすればよいかが気になります。
久米島紬の“買取”について徹底解説をします!
久米島紬の買取相場について
久米島紬は工芸史的に重要な地位に位置している事に加え、国の伝統的工芸品や国の重要無形文化財に指定されています。
買取の際に、非常に高値を期待できるステータスをもっているのです。
久米島紬の平均買取相場1万5千円~5万円
久米島紬の平均買取相場は1万5千円~5万円となっています。
場合によっては10万円を越える買取価格になる事も珍しくはありません。
一般的な紬の平均買取相場が5千円~1万円である事を考えると、非常に高値といえます。
高値がつく理由
これほどに高値がつくのは歴史的価値や、国の伝統的工芸品、国の重要無形文化財という肩書きだけが理由ではありません。
久米島紬は草木染めや泥染めによって染め付けられた自然な風合い、仕上げ作業の“きぬた打ち”により生まれる独特な光沢が多くの人を虜にしています。
ビジュアル的な側面も高値がつく理由の一つなのです。
加えて、久米島紬の稀少性も高値がつく理由の一つとなっています。
久米島紬は、養蚕や糸取り~仕上げ作業まで全ての工程を基本的に一人で一年かけて行うので生産量が非常に少なく、高値となります。
国の重要無形文化財である久米島紬
久米島紬の中でも特に高額な買取価格となるのが、国の重要無形文化財として認定された久米島紬です。
重要無形文化財としての指定要件は以下の4つです。
- 糸は紬糸または引き糸を手作業で製作して使用
- 天然染料を使用して手作業で染色
- 手くくり絣である
- 手織りで製造
国の伝統工芸品である久米島紬
国の伝統工芸品として認定された久米島紬も高額買取してもらえる久米島紬の一つです。
国の伝統工芸品としての指定要件は以下の5つです。
- 生糸または真綿からの手紡ぎ糸を使用すること。
- 先染めの平織りであること。
- 経糸には生糸と使用し、緯糸には真綿の手紡ぎ糸を使用すること。
- 緯糸の打ち込みには「手投杼(※1)」を使用すること。
- かすり糸は手くくりによって染色すること(染料はサルトリイバラ・シャリンバイなどを原料とした植物性染料を使用する。媒染剤は泥土やミョウバンを使用する)